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売れる仕組み「製造小売業」とは何か。 1994年頃、新聞紙上では「メーカーと小売業者が商品の共同開発や経営情報などの共有化を柱に戦略的提携関係を結ぶ」という、いわゆる製販同盟の記事が盛んに掲載された。
大手コンビニや家電系列店などの事例を扱ったこれらの一連の記事は、まさしく日本の流通システムがメーカーの流通支配形態から、流通すなわち小売業が主導の流通支配形態に大きく変わろうとしていた時期のものである。 まさに「メーカーの小売店戦略を根本から変えなければ、メーカーそのものの存在が危うくなる」と言っても過言ではない状況に追い込まれていた。
メーカーと流通の立場が逆転した背景としては、お客さまのニーズの変化がより多様化してきた点が挙げられる。 私がいた当時のタイヤ業界においてもお客さまの購買動向は、80年代と90年代を比較するとよく理解できる。
80年代は「人よりひと味違うものを」という傾向から、90年代では「良いものを安く」=「価格納得性」のある商品をと購買動向が大きく変化してきている。 また、80年代ではメーカー系列である販売会社の力の差が流通の差であったが、90年代に入って通販、ディスカウントショップ、大手量販店の台頭によって、いわゆる小売間競争、さらにはチェーン間競争が起こり、「卸売業・販売会社の力の差=流通の力の差」という図式が成り立たなくなってきた。
21世紀に入った現在、急激なインターネットの普及によってますます業種・業界間格差がボーダレス化してきている。 商品についても同じことが言える。
80年代は「ブランド優位」であったが、90年代に入って「良いものを安く」という概念のもと、「品質と価格のバランスがとれたもの」「価値観のあるもの」しか売れないという状況になった。 80年代に比べ、90年代はグローバル化が進み、居間にいながら世界の情報を入手でき、その情報にもとづき価値が判断されるという情報化社会に変貌したのである。
今、パソコンが約4000万世帯、携帯電話が約8000万台、そしてインターネット活用世帯数が約3000万世帯と言われる現況のなかで、まさに情報はネットワーク化され、メーカー、小売店という単体だけではマーケットに対応ができなくなってきたのである。 ここに私の提言する「製造小売業化」が必要なのである。

「製造小売業」はメーカーが構築するシステム「製造小売業」を定義するとすれば、「生産から販売(製造から小売り)までの一気通貫した体制を構築し、効率的な運営を続ける企業」と言える。

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